南砺市クリエータープラザ基本計画

「南砺市クリエータープラザ基本計画」は2014年度、南砺市が立野原地内に計画されたハイウェイオアシス(東海北陸自動車道城端SAに隣接)の基本構想、基本設計として業者に広く公募されることになりました。

そしてリバースプロジェクトは、過去数年に渡る南砺市での活動を通じ、市が掲げる「南砺市エコビレッジ構想」を基礎コンセプトに据え、計画敷地の状況、求められる施設の機能から、大きく以下の3つを柱とした基本計画案を提案し、南砺市から本件の業務委託採択を受けました。


① エコビレッジ構想を継続的に動かすための器づくり
南砺市クリエータープラザの基本設計において、エコビレッジ構想を継続的に動かすために地域環境に見合った建築仕様による、器(=建築物)を計画しました。器の中にはその地域で必要とされる機能を容れ、この施設が上手く運用されることによってエコビレッジ構想も継続性をもって地域に根ざすことができます。

② コミュニティ形成を取り入れた合掌造り
「合掌造り」が意味するものは単に建築様式だけではありません。
合掌造りの建築過程において、茅葺屋根を維持するために「結」と呼ばれるコミュニティ共同作業が、この合掌造りを、さらにはその地域のコミュニティ力を支えてきました。本計画案においては、そのような合掌造りの建築過程をデザインに取り入れ、さらに桜ヶ池周辺の森林資源を活用し、維持管理のための継続的な地域雇用に繋がる建材利用を提案しました。

 

 

③ 明確な動線整理
既存の周辺施設(城端SA、ヨッテカーレ、クアガーデン、駐車場)に対する動線計画を明確にしました。
特に立地条件上、城端SAに訪れる人々に対する誘引力と、南側駐車場からのアクセスについては、今後計画される城端SAスマートIC化事業との整合性を考慮しながら精密な計画を行いました。
およそ3ヶ月の業務期間において、私たちは毎週南砺市に足を運び、市長を始め関係部局、関係機関との協議を丁寧に重ねました。

 

 

その中で、私たちは過去数年間の継続的な南砺市における活動で、自治体が目指す街づくりをしっかりと理解し、その実現にむけて努力する市役所の方々、あるいは市民の方々とのしっかりとした関係作りが今回の基本計画の背骨になっていると強く実感しました。そして、この根強い働きかけこそが、まちづくりに関わる中で大きな意味を持つことを確信しました。

引き続きリバースプロジェクトは地域との関係性を育みながら、得意とするクリエイティブの力でまちづくりに貢献していきます。

事業概要
1)業務件名   クリエータープラザ基本計画作成業務
2)業務場所   富山県南砺市桜ヶ池ハイウェイオアシス 敷地内
3)工期     自:平成26年7月23日
         至:平成26年10月31日
4)受注者    一般社団法人 リバースプロジェクト

業務項目
1) 対象建築物概要
①南砺市クリエータープラザA棟
 木造地上2階建 
 建築面積  541.50㎡
 述べ床面積 984.95㎡
 敷地面積  2248.35㎡

②南砺市クリエータープラザB棟
 木造地上2階建 
 建築面積  617.29㎡
 述べ床面積 989.59㎡
 敷地面積  1572.23㎡

2) 基本計画業務 
①基本計画業務
②建築基本設計業務



■member
プロジェクトディレクター:村松一