日本一の真珠生産地、宇和島
その自然の恵みの裏側にある、廃棄されていく資源を活用

四国南西部、愛媛県の南部に位置する都市、宇和島。
宇和島城を中心に発展した闘牛で有名な旧城下町の西岸部にはリアス式海岸が広がり、その漁港数は全国有数を誇ります。

いくつもの入り江が複雑に入り組んだこのリアス式海岸は、美しい真珠の生産量日本一を誇っています。

 

その一方で、元々平地の少ないこの地域では、農産業などは育たず、水産業が主力となっていましたが、魚価の低迷や若者の流出によってその活力を失いつつあります。

そんな中、宇和島の真珠の魅力を掘り起こし、地域の活性化に挑む人がいます。

真珠養殖業を営む、「土居真珠」の土居一徳社長です。

美しく光る真円の真珠が生まれてくる背景には、高い品質基準故にはじかれてしまう真珠があります。

形が悪く真円でなかったり、照りが弱い、色に斑がある等の理由ではじかれてしまう真珠の量は全体の3割にものぼります。

また、真珠を育てるアコヤ貝の貝殻は、産業廃棄物として中国や韓国に渡ってしまっているのだと土居さんは語ります。

”豊かな自然が育んでくれる真珠だからこそ、環境になるべく負荷をかけない方法でものづくりをしていきたい”

そんな土居さんの想いに共感し、はじかれてしまう真珠に注目し未利用資源を使った商品開発「REPEARL PROJECT」を発進しました。

デザイナーには、すでに淡水パールをカットして、キューブやスタッズ型に削りだした商品を開発していた「LOISTO」(ロイスト)の村瀬熱紀さんを起用しました。

クラシカルなイメージが強く、どこか古くささを感じてしまう真珠を、思い切ってダイヤモンドをイメージしてカット。

真珠=真円という定着した概念を打ち崩した、REBIRTH PROJECTらしい商品「カットパール」が誕生しました。



また廃棄されていたアコヤ貝の貝殻は、内側の玉虫色に光る真珠層に着目。工場で真珠層をひとつひとつ削り出し積層させ、カラフルなアクリル樹脂で固め、石をイメージしてカット。廃棄物からかわいいピアス「ロックパール」の誕生です。



真珠の新しい楽しみ方の提案とともに、宇和島での6次産業活性化を狙っていきます。



■ information
LOISTO loisto.jp

REBIRTH PROJECT ONLINE SHOP shop.rebirth-project.jp

 

■ member
プロジェクトディレクター:藤元明
デザイン:LOISTO 村瀬熱紀